人間不信のジレンマとその解消法 スカイプちゃんねると相互不信問題
現状について
以前も書いたと思いますが、スカイプちゃんねるでは常に1000人前後の人間がサイトを訪れています。
この「いくらでも代わりがいる、取り換えが聞く」ということは、そのまま「今話している相手の他にも1000人は代わりになる相手がいる」とも言いかえられます。
通話ないしはチャットをしている当人同士が「今会話している相手」を限りなく軽く考え、その相手の向こうにいる未だ話していない1000人を思い浮かべてしまうことは当然の成り行きでしょう。
お互いがこう考えている限りスカイプちゃんねるでは誰ひとりとして「本命」になることができません。
スカイプちゃんねるなど遊びである
本気の恋愛は絶対にない
というような方にはむしろ都合がいいような現状ですが、もし少しでも「彼女(彼氏)を作りたい」や「それ以上の関係」を求めてしまったが最後
「いつでも誰でも変わりを探せる」という現状に少なからず焦りを覚えてしまうのではないでしょうか。
そして、「今好きな相手の他にもいい相手がいるかもしれない」といった感情が 「相手も自分と同じことを考えているかもしれない」に変わってしまうのは時間の問題でしょう。
けれど悲しいかな、これは間違ってはいないのです。
半分以上は真実を言い当てていると思います。
なぜなら、常に千人以上が通話相手を探し続ける世界においては「今の相手よりいい相手(イケメン、きれい、かわいい、金持ちetc.)」を探すことなど非常に簡単なことだからです。
それがネットともなればその勢いは加速するばかりです。
自分の好きな相手(もしくはあなた自身)がよっぽどの高スペックかつ自分に自信があるのでなければ、そう考えてしまうこと自体が当然のことです。
これは何も、愛だ恋だを語らずとも、冷静になって考えてみればわかることだと思いますので、深くは掘り下げません。
お互いがお互いを圧倒的多数の中から選び続けることができる状況では、そう考えることが自然の成り行きであると思います。
ジレンマについて
以上のような現状からは
「本命の相手をつくりたいが、ほんとうにその人で間違いがないのかどうかわからない」
「他に1000人もいるのにこの人を選ぶメリットがあるのかわからないが、だからといって無駄な恋愛を重ねることになるのは嫌だ」
などといったジレンマが浮かび上がります。
私達はどうすればいいのでしょうか。
誰も本命になれない現状を嘆くだけしかできないのでは、あまりにも悲しすぎます。
このようなジレンマの根底にあるのは相手を信頼することへの猜疑心です。
「(他に1000人もいるのに)この関係が続くとは思えない」というあなたの疑念が何よりの証拠となり、結果として疑念は増加するばかり。
自分で仮説を立て、その仮説を自らが証明し続けるわけですから、どう転んでも明るい未来は来ないわけです。
もちろん相手が今言ったようなことを考える場合もありますが、要は自分のことも相手のことも信じることができないためにすべての問題は生じてきます。
そして、
相手が裏切るかもしれない→それならば最初から信じない
という前提が思考の出発点となった時点で、関係は悪化の一途を辿ります。
ジレンマの解消方法について
今まで何度も裏切られてきたのでしょう。
もしかすると、誰かを裏切ってしまった経験さえお持ちかもしれません。
けれど、それを責められる事ができるほど高潔な人間などは、どこにもいません。
このような文章を書いている私ももちろん含め、誰もが弱く小さい存在です。
自分の心を素直な目で覗いたときに、見えてくる内容を誇れるような人はいるのでしょうか。
きっといないはずです。
しかし、それでも私たちは「人を信じたい」のです。
最初から誰も信じないことや、こちらから裏切ってしまうこともすべてその気持の裏返しです。
そうでもなければ、こんなことで悩むこともないと思います。
では、具体的に何をもってこのジレンマの解決策としたらいいのかということになりますが、これはおそらく「これが唯一絶対の解決策」といえるようなものはありません。
たとえ裏切られても、それでも人を信じろと言うことは、私にはできません。
ただ、「信じるに足るようなものが相手にあるかどうか」を見極めてから信じるということを、「信じる」と言ってしまっていいのかも疑問が残ります。
どんなにボロボロになってしまったとしても、それでも人を信じることを続けるべきなのかどうか私にはまだわかりません。
けれど、まずはこちらから一歩近寄ることが何よりも大事なのではないでしょうか。
そうすることで、これまでの人間不信的な関係性が、少しでも変わるのではないかと思います。
スカイプちゃんねるを例に取り上げ考えてみましたが、「人を信じること」については今後の人生を過ごしながら考え続ける必要がある課題だと思います。